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平成30年度 事業計画

1. 基本認識

わが国経済は、海外経済の成長が続くなかで、緩やかに拡大している。輸出は増加基調にあるほか、内需の面でも、企業収益が改善するもとで設備投資は増加傾向にあり、個人消費も、雇用・所得環境の着実な改善を背景に、振れを伴いながらも緩やかに増加している。米国の経済政策運営や新興国経済の動向、地政学的リスクなど海外情勢に引き続き留意する必要はあるが、先行きもわが国経済は、緩やかな拡大を続ける可能性が高いとみられる。一方で、人口減少と少子高齢化が加速する状況下、構造改革を進め潜在成長力を高めることは引き続き大きな課題となっている。

 こうしたなかで、鹿児島経済も緩やかな回復を続けているが、輸出型の製造業の集積度が相対的に低いこともあり、その改善のペースは全国よりもゆっくりとしたものとなっている。また、鹿児島では、若年層の県外流出の割合が大きく、人口減少と高齢化が全国平均より早く進む状況の下、人手不足への対応も大きな課題となっている。女性・高齢者などの活躍推進、業種や企業によっては外国人の労働力の活用といった取組みも行われているが、若年層の県内企業への就職やUIターン促進を含む幅広い対策が必要とされている。鹿児島の経済・社会の活力と多様性を高め、チャレンジ精神に溢れる多くの若者がより働きやすい環境にしていかなければならない。

 鹿児島の経済社会の活性化と発展のために、我々経済人は強い危機感をもって、その役割を果たしていく責任がある。幕末維新期の鹿児島の変革に向けた強い意志と実行力、海外に積極的に目を向けた先進性を改めて思い起こし、受け継ぐべき伝統は受け継ぐとともに、変えるべき点は思い切って変えていく姿勢が求められる。

 鹿児島には、昨年の全国和牛能力共進会で総合優勝を果たした鹿児島黒牛を含む、全国屈指の生産量を誇る農畜水産業や、多彩な蔵元により造られる本格焼酎などの食品加工業がある。世界文化遺産に登録された旧集成館などに今もみられる、明治維新を主導した歴史と文化も有している。また、世界自然遺産の屋久島や、奄美群島、桜島、多くの温泉などを含む豊かな自然に恵まれており、地理的には日本の西南部というアジア諸国に開かれた位置にある。こうした鹿児島の強みを活かしつつ、県外だけでなく海外にもさらに目を向けて、市場の拡大や観光客の誘致などを一段と図っていくべきである。

 本年(平成30年)は、明治維新150周年にあたり、NHK大河ドラマ「西郷どん」が放映されているほか、奄美群島の世界自然遺産登録も見込まれている。また、東京オリンピックが開催される平成32年には鹿児島国体が開催される。現状、このように鹿児島には「追い風」が吹いている状況にあるが、これらに伴う観光需要の積極的な取り込みにとどまらず、その流れを一過性のものに終わらせることなく、鹿児島全体の持続的な発展につなげていくことが重要である。

 観光面では、鹿児島各地の魅力を内外に一層アピールするとともに、鹿児島ならではの体験の提供、外国人観光客への対応力の向上など、様々な工夫も必要とされている。この間、新たな鹿児島のシンボルとなることが期待される鶴丸城御楼門の建設については、平成32年の完成に向けて官民一体の取組みが着実に進められているほか、鹿児島市内における再開発事業なども相次いでいる。これらと既存の観光拠点との有機的な連携を図ることなどを通じ、鹿児島全体の活性化につなげていかなければならない。

 鹿児島経済の成長力を高めていくには、生産性向上と付加価値増大が進んでいくよう産業振興を図る必要がある。当地には、既に先進的な取組みを行っている企業も少なくなく、そうした動きが県内に広がればその効果は大きい。また、ICTに加え、IoTや、ビックデータ分析、人口知能(AI)を活用してイノベーションを起こしていく流れは世界的に急速に進みつつある。当地においても、製造業だけでなく、基幹産業である農畜水産業などの分野でも、先端的な技術の導入・活用を図っていくことが重要である。
 
 環境・エネルギー面については、当地では、太陽光、地熱、水力、風力、バイオマスなど再生可能エネルギーに関する様々な取組みが行われている。今後も、エネルギー効率や持続可能性の向上、環境産業育成などの観点を踏まえて取り組んでいく必要がある。

 以上のような多岐に亘る取組みを進めるにあたり、教育と人材育成の重要性は強調してもし過ぎることはない。郷中教育にもみられる高い人材育成力は、幕末維新期を含め、多くの人材の輩出を可能とし、歴史的にも鹿児島の力の源泉となってきた。優秀な若年層の労働力の不足が深刻化している現在、その必要性はかつてなく増している。鹿児島という地域に根差しつつグローバルな視点を持ち、専門的な知識・技術も柔軟に習得できる人材の育成について、我々自身、注力するとともに、教育現場との連携を通じて支援していく。

 鹿児島経済同友会では、こうした認識のもと、地域産業振興、鹿児島活性化、観光・国際、教育・人材育成、環境・エネルギー、先端技術研究の各委員会を中心に、諸課題の検討・提言活動を進め、鹿児島経済の発展に貢献していくこととする。  

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